住宅ローンの返済は毎月いくらまでにすべき?
金融機関が審査で見る返済比率は、貸し手のリスクを測る基準であって、あなたが暮らせるかどうかの基準ではありません。家計で組むときは、ローンの返済額だけでなく、マンションなら管理費と修繕積立金、戸建てなら将来の修繕費、そして毎年届く固定資産税・都市計画税と火災保険料まで足した「持ち続ける費用」で見ます。その合計を手取りに対して測り、毎月出ていくものと不定期に出ていくもので、袋を二つに分けます。
審査に通る額と、暮らせる額は別の質問への答え
金融機関は年収に対する年間返済額の割合を審査で使います。基準は金融機関と商品ごとに違い、公表しているところもあれば非公表のところもあるので、自分に適用される数字は、申し込む先が出す条件を見るしかありません。ただ、その数字が何を測っているかははっきりしています。あなたに貸したお金が返ってくる見込みです。老後の資金を積めるか、子どもの教育費と重なる年を越えられるか、15年目の給湯器を替えられるかは、そこには含まれていません。審査は上限を教えてくれる道具で、上限は目標ではありません。通った額をそのまま借りるのではなく、通ってから自分の基準でもう一度測ってください。
毎月出ていくのは、返済額だけではない
広告に出ているのは元利の返済額です。マンションならそこに管理費と修繕積立金が乗り、これは住んでいるかぎり毎月出ていきます。しかも修繕積立金は長期修繕計画に沿って途中で上がる設計になっていることが多く、管理組合の決議で変わります。駐車場を借りているならそれも毎月です。戸建てなら管理費こそありませんが、その分の修繕をいつか自分で全部やることになります。どちらにも共通して、火災保険料と、毎年届く固定資産税・都市計画税が乗ります。この全部を足したものが、家を持ち続けるために毎月かかっている額です。返済額だけで他の家と比べても、何もわかりません。
手取りで測り直す
同じ計算を、実際に口座へ入る額に対してやります。返済額、管理費、修繕積立金、駐車場代を足し、そこに火災保険料と固定資産税・都市計画税を12で割ったものを足し、さらに修繕のための毎月の積立を足します。マンションなら管理組合が積み立てているのは共用部分の分なので、自分の部屋の給湯器やエアコン、水回りの分は別に用意します。この合計が手取りに占める割合を出してください。目安として、住居費全体が手取りの3割前後に収まっていれば他の袋が動きます。4割を超えると、家のほうがあなたを動かします。築年数が古い、収入に変動がある、教育費が重なる時期に入る、という条件があるならもっと低めに置いてください。
持ち家に必要な袋は二つ
一つ目は、毎月同じ日に同じ額が出ていく袋です。ローンの返済、管理費、修繕積立金、駐車場代。ここは退屈であるべきで、退屈なのが正しい状態です。二つ目は、毎月入れて不定期に出す積立の袋です。固定資産税の納税通知書が来たときの支払い、火災保険の更新、給湯器やエアコンの交換、戸建てなら外壁と屋根。ボーナス払いを設定しているなら、その分もここです。家を持って苦しいと感じている人のほとんどは、一つ目しか用意していません。だから、家を持てば当然起きることの全部が、突然の災難の顔をして現れて、そのままカードの分割払いになります。
今週やる、袋の変更
まず直近12か月の口座を開いて、毎月の返済以外に家が食べたお金を全部抜き出してください。修繕、設備の交換、火災保険、固定資産税、管理組合の一時金。それを12で割ります。その額が、今日から毎月の修繕・税金の積立に入れる額です。ローンの袋とは必ず分けてください。分けておくと、何も壊れなかった年に残高が積み上がっていくのが見えます。Envelope Budget では積立の袋に貯金目標を付けられるので、給湯器を替えるまでのあいだ、残高が伸びていく様子がそのまま進捗になります。二つの袋を足して手取りの3割に入らないなら、それは屋根が教えてくれる前に、あなたが自分で知っておくべきことです。
よくある質問
修繕積立金を払っていれば、自分で積み立てなくていいですか?
足りません。管理組合が積み立てているのは、外壁や屋上、共用配管といった共用部分の分です。あなたの部屋の中にある給湯器、エアコン、食洗機、水回りの設備は自分の負担です。さらに修繕積立金そのものが、長期修繕計画に沿って将来上がる設計になっていることがあります。管理組合が出している長期修繕計画と、今後の値上げ予定を読んでください。それを読むだけで、この先10年に何が来るかがかなりわかります。読んだうえで、専有部分のための積立を別に作ります。
固定資産税はいくらで見積もればいいですか?
見積もれません、と正直に言います。税額は自治体が評価して決めるもので、このページで計算することも、目安を出すこともできません。できるのは仕組みの話だけです。自治体から納税通知書が届き、そこに金額と納期が書いてあります。買った翌年から始まるので、初年度の家計にはなく、二年目から現れます。やることは、届いた通知書の金額を12で割って、次の一年ぶんを特別費の積立に毎月入れておくことです。通知が来てから用意するのではなく、来る前に用意しておきます。
ボーナス払いを設定していますが、家計にはどう入れますか?
毎月の家計に入れます。ボーナス払いのぶんを12で割って、その額を毎月ボーナス払い用の積立に入れておいてください。そうしておくと、支給が想定より少なかった年でも支払いが揺れません。賞与は金額が確定しない収入で、住宅ローンは金額が確定した支出です。この二つを直結させると、確定していないもので確定したものを払うことになります。積立をはさむと、そこが切り離されます。
この家計をスマホで回す
Envelope Budget は、この袋をそのままポケットに入れます。すべての金額を割り当て、使ったその場で記録して、実際にいくら残っているかを見ます。
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