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家賃は手取りのいくらまでにすべき?

よく言われるのは「家賃は手取りの3分の1まで」ですが、これは調査から出た数字ではなく、長く言い伝えられてきた目安です。実際に測るなら、家賃だけでなく管理費・共益費、駐車場代、火災保険料、そして更新料を月割りしたものまで足して、それを手取りで割ります。その合計が手取りの3分の1あたりに収まっていれば他の袋が動かせます。半分に近づくと、家計が壊れるのは住居費ではなく食費と特別費の積立のほうです。

「3分の1」はどこから来たのか

この目安には、これといった出どころがありません。誰かが調べて導いた比率ではなく、貸す側と借りる側の双方にとって覚えやすかったから残った経験則です。そして厄介なことに、分母がはっきりしていません。総支給で3分の1なのか、手取りで3分の1なのかで、同じ人でも結論が変わります。使うなら手取りにしてください。所得税、住民税、健康保険料、厚生年金が引かれたあとの、実際に口座へ入る額です。総支給で測ると、自分のものになったことのないお金を家賃の担保にすることになります。目安として使う分には便利ですが、判定として受け取る価値はありません。あなたの家賃が高いかどうかを決めるのは比率ではなく、家賃を払ったあとに何が残っているかです。

「家賃」という言葉が隠しているもの

募集条件に載っている家賃は、毎月出ていく住居費の全部ではありません。管理費・共益費が別建てになっている物件が多く、これは家賃と同じ日に同じ口座から引き落とされます。駐車場代も同じです。さらに火災保険料は多くの場合2年分をまとめて払う形で、更新のタイミングでまた出ていきます。そして更新料。2年に一度の契約更新でまとまった額が動く仕組みなら、それは毎月の住居費の一部です。契約書に書かれた更新料を24で割って、毎月の住居費に足してください。この4つを足したうえで手取りで割った数字が、あなたの本当の住居費比率です。募集家賃だけで比べていると、同じ家賃でも実際の負担がまったく違う二つの部屋を、同じものとして扱ってしまいます。

同じ家賃を、三つの手取りに当てはめる

比率は数字を当ててみるとわかりやすくなります。家賃8万円という部屋を、手取りの違う三人に当てはめてみます。手取り18万円なら約44パーセント、手取り25万円なら32パーセント、手取り35万円なら約23パーセント。部屋は一つも変わっていません。変わったのは、家賃を払ったあとに立っている残りの額です。一人目に残るのは10万円で、そこから食費、交通費、通信費、保険、医療、そして不定期に出てくる出費まで全部をまかなうことになります。三人目にとって、同じ部屋はほとんど見えていません。だから比率そのものは判定になりません。食費と交通費の下限はほとんど動かないので、同じ比率が高い収入では快適に、低い収入では成立しなくなります。

家賃が重いとき、先に壊れるのは家賃ではない

高すぎる部屋は「家賃が払えない」という形では現れません。家賃はいつも払われるからです。症状が出るのは二つ隣の袋です。食費が毎月3週目で尽きる。歯科をずっと先延ばしにしている。車検や更新料のための特別費の積立がいつまでも埋まらない。貯金の残高が引っ越してきた日から動いていない。この四つが同時に出ているなら、それは食費の使いすぎではなく、住居費が先にお金を取っていった結果です。正直な読み方はこうです。あなたは食費を使いすぎているのではなく、契約がすでに持っていったぶんだけ食費に入れられていない。ここを取り違えると、削れないものを削ろうとして毎月失敗し続けることになります。

今週やる、袋のつくり直し

住居費は給料が入ったその日にいちばん先に取り分けます。そのうえで袋を分けてください。家賃・管理費でひとつ。火災保険と更新料は年払い・2年払いなので、特別費の積立にまとめて毎月入れます。光熱費は今月の請求額ではなく、年間の合計を12で割った額で袋を作ります。そのうえで、この三つに駐車場代を足して手取りで割ってください。その一つの比率が、あなたの住居費の答えです。誰かの3分の1ではなく、あなたの数字です。Envelope Budget は手入力なので、更新料の袋が今いくらまで貯まっているかを、計算し直さずにそのまま見られます。比率が高すぎた場合、効く手はひとつしかありません。次の更新のときに決めることです。今夜の我慢ではありません。

よくある質問

家賃の目安は総支給と手取り、どちらで測りますか?

手取りです。不動産会社の審査や保証会社の基準は総支給で見ることがありますが、それはあなたに貸してよいかを判断するための数字で、暮らせるかどうかの数字ではありません。あなたが食費を払うのは手取りからです。手取りで測り直すときは、管理費・共益費、駐車場代、火災保険料、そして更新料の月割りまで足してください。審査に通る額と、無理なく払える額は別物です。そして両方を知っておいたほうが、部屋を決めるときの判断は速くなります。

住んでいる地域では3分の1に収まりません。どうすればいいですか?

収まらないなら収まりません。そこを取り繕うと、嘘の家計ができるだけです。やることは、差額をどの袋が引き受けるかを先に決めて紙に書くことです。多くの場合は外食の袋を小さくする、車を持たないか一台に減らす、貯金の目標を期間を区切って遅らせる、のどれかです。どれをいつまでやるのかを書いてください。自分で選んで手当てした高い住居費比率は、乗り切れます。4か月目に気づいた同じ比率は乗り切れません。

更新料は毎月の家計に入れるべきですか?

入れてください。2年に一度まとまって出ていくお金は、毎月出ていくお金と同じくらい確実です。金額は世の中の相場ではなく、あなたの賃貸借契約書に書かれています。その数字を24で割って、特別費の積立に毎月入れてください。同じ時期に火災保険の更新や保証料の更新が重なることも多いので、契約書を見て、同じ月に来るものをまとめて一つの積立にしておくと取りこぼしません。

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