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先取り貯金:給料日に先へ、残った80%で暮らす

先取り貯金は、手取りの一定割合を給料日に先へ移し、残りは費目のルールなしで使うやり方です。割合を20%にしたものが80/20と呼ばれます。手取り月20万円なら4万円が先に出て、16万円で暮らします。日本ではこれを意志に頼らない形にする仕組みが用意されていて、勤務先の給与天引きの制度と、銀行の自動積立がそれです。回すのに要る袋は三つ、貯金、固定費、そして使う袋です。

仕組みと、三つの呼び名

手取りの一定割合が、給料日に、支出の前に別の場所へ移ります。残りは費目のルールなしで使えます。これだけです。同じ仕組みが、先取り貯金、80/20、逆算式の家計と、いくつもの名前で説明されているので、四つめのやり方を探すのはやめてかまいません。三つとも同じひとつの考えです。これほど繰り返し説明されるのは、いちばん多い失敗にまっすぐ効くからです。貯まらない人は、たいてい12月に根性が足りなかったのではありません。貯金が支出のあとに置かれていて、支出のあとには何も残らない、という順番の問題です。

金額よりも、日付が効く

手取り月20万円なら20%は4万円で、それが先に出て、16万円で全部をまかないます。手取り25万円なら5万円と20万円。ここでは割合より日付のほうが効きます。給料日の三日後に移した4万円は、すでに使い始めた口座の中にあった4万円で、頭の中の区別はもう消えています。だから移す日を、給料日か、その翌営業日に固定します。今の手取りで20%が無理なら、10%でも5%でもかまいません。作っているのは順番であって、数字ではありません。順番は、あとから入れるのがいちばん難しい部品です。

意志を使わない形にする

日本の家計でこのやり方が強いのは、手作業をなくす仕組みがすでに用意されているからです。ひとつは勤務先の給与天引きで、財形貯蓄や社内預金のような制度がある会社では、手取りに入る前に引かれます。手元に来なかったお金は使えないので、いちばん壊れにくい形です。ただし、制度があるかどうかも、条件も、会社ごとに違います。就業規則と担当部署で確認してください。もうひとつは銀行の自動積立で、毎月決まった日に決まった額が別の口座へ移ります。どちらも、設定した日が給料日から遠いほど効きめが落ちます。効いているのは自動化そのものではなく、使う前に消えている、という順番です。

合う人、合わない人

合うのは、使い方はおおむね妥当なのに貯金がゼロという人です。これは非常に多い層です。細かい費目の家計簿を作っては挫折してきた人にも合います。ここでの手入れは給料日の一手だけだからです。収入が安定している人にも合いますし、お金のことをあまり考えたくない人にも合います。それは性格の欠点ではなく好みです。合わないのは、ひとつの費目が暴れている人です。80%は同じように使われるだけで、見えないままになります。収入が動く人にも合いません。少ない月に定額を抜くと家賃が足りなくなり、二回飛ばした時点で習慣が消えます。そして、リボ払いのような残高があるなら、20%を全部貯金へ送る前に一度立ち止まる価値はあります。

最低でも、三つの袋

貯金の袋を給料日にいちばん先に。次に固定費の袋で、家賃と管理費、光熱費、保険、通信費、最低返済額を入れます。残り全部が「使う袋」ひとつで、それが80%から固定費を引いた額です。三つが正直な最低限です。固定費の袋がないと、使う袋の残高に大家さんへ渡すお金が混ざります。嘘をつく数字は、数字がないより悪いです。三週目にいつも空になると分かったら、そのときに原因の費目をひとつだけ切り出します。ひとつだけです。Envelope Budget は三つの袋でも十二の袋でも同じように動きますし、貯金の袋に目標額を付けられるので、先に出した20%が積み上がる様子がそのまま進捗になります。

よくある質問

先取り貯金と80/20は違うものですか?

同じものです。先取り貯金、逆算式の家計、80/20は、どれも「貯金を支出より先に出して、残りには構造をつけない」という同じ仕組みを指します。名前が違うのは広まった経路が違うからで、中身が違うからではありません。割合を20%と決めている説明と、割合を決めない説明があるのが唯一の差です。三つを読み比べてどれを採るか迷っているなら、その必要はありません。ひとつ採用すれば、三つとも採用したことになります。

20%が無理なときはどうしますか?

割合を下げて、順番だけ守ります。5%でも、使う前に移してさえいれば、20%と同じ習慣ができます。あとから入れるのが難しいのは、金額ではなく習慣のほうです。上げるのは、昇給したとき、借入が終わったとき、月額の契約をやめたときです。すでに慣れていたものを何も失わずに増やせる瞬間だからです。うまくいかないのは、20%を出せるようになるまで待つやり方です。月末に残る額が、ちょうど手取りの20%になることはほとんどありません。

先取りしたお金は、どこに置きますか?

使う口座とは別の場所です。同じ口座にあると、残高の中で使えるお金に見えます。そこから先は目的によります。一年以内に使うかもしれないお金と、十年触らないお金では置き場所が違いますし、どの商品や口座を選ぶかは、家計のページが決めることではありません。家計としての判断はひとつだけです。給料日に、使う口座から出ていること。そして、自分で操作しなくても出ていくようにしておくこと。この二つが守られていれば形は成立します。

先取り貯金でも、記録は必要ですか?

仕組みを回すだけなら不要で、そこがこのやり方のいちばんの取り柄です。必要になるのは、残りの80%がどこへ行ったのか答えたくなったときで、たいていの人はいずれそうなります。貯金の割合を上げたいのに、何を削ればいいのか見えない、という場面です。折衷案として、ひと月だけ記録して、その結果から使う袋の金額をひとつ決めて、また考えないやり方に戻すのが現実的です。目に見える穴を見つけるには、ひと月ぶんのデータでたいてい足ります。

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