食費は月いくらが目安?
食費の目安の立て方は二つあり、両方やる価値があります。ひとつは総務省統計局の家計調査で、世帯人員別・年齢階級別に食料費がいくらかが公表されており、しかも外食と調理食品が内訳で分かれているので、自炊の分だけを取り出せます。もうひとつは手取りに対する割合で、食費はおおむね10〜12パーセントあたりに収まります。ただし先にやることがあります。外食とコンビニを食費から抜くことです。抜かないと、どちらの基準も意味を持ちません。
あなたの「食費」は、たぶん二つの費目が混ざっている
何かと比べる前に、その数字の中身を確かめてください。多くの人の食費には、スーパーで買った惣菜、買い物のついでのコーヒー、日用品、ティッシュやラップ、ペットフード、そして同じ店・同じカードで払ったというだけの理由で外食まで混ざっています。この混ざり方をしていると、どんな基準も無意味になります。公表されている食料の統計は内訳が分かれていますし、袋分けで見たいのも自炊の額だからです。一度だけ分けてみると、風景が変わります。食費は、家に持ち帰って自分で調理する食材と、それに近い日常の食品。外食、宅配、職場のランチ、カフェ、飲み会は別の袋です。この分割だけで問題が終わることも珍しくありません。暴走していると思っていた費目が、別の費目だったとわかるからです。
基準その一:家計調査で自分に近い世帯を見る
日本でいちばん素直に使える食費の参照点は、総務省統計局の家計調査です。世帯人員別、世帯主の年齢階級別に、1か月の消費支出の内訳が公表されていて、食料の中がさらに分かれています。ここで大事なのは、外食と調理食品が別の行になっていることです。つまり「自炊の食費」に近い数字を取り出せます。金額をここに書き写すことはしません。数字は更新されますし、書き写した瞬間から古くなるからです。統計局のサイトかe-Statで最新の統計表を開いて、自分に近い世帯人員と年齢階級の行を見てください。数分で終わりますし、記事に載っている二次情報より確実です。
基準その二:手取りに対する割合
家計調査は「食べるのにいくらかかっているか」を教えてくれますが、あなたがいくら稼いでいるかは知りません。その隙間を埋めるのが二つめの基準です。食費はおおむね手取りの10〜12パーセントあたりに収まります。これは研究結果ではなく袋の初期値を決めるための目安で、選んだ水準が自分の生活に載るかどうかを確かめるための線です。二つの基準が食い違ったら、その食い違いが情報です。統計の水準が手取りの12パーセントを大きく超えるなら、どこかを譲らないかぎりその買い方はできません。逆にずっと下に収まるなら、制約は食費ではなく別のところにあります。どちらかが正しいのではなく、二つを突き合わせた結果があなたの答えです。
上下に振れる理由と、心配すべき水準
食費を動かすのは習慣より条件のほうです。住んでいる場所で価格が変わりますし、近くにスーパーが一軒しかない地域が都市部より安いとはかぎりません。世帯の中身は人数より効きます。育ち盛りの中高生と体を使う仕事の大人は、同じ人数の小さい子どもよりずっと食べます。食物アレルギーや持病による制限、車がなくてまとめ買いができないこと、冷凍庫が小さいこと、調理の時間が取れないことは全部、下限を押し上げます。逆に、ほとんど自炊すること、大きめの冷凍庫、銘柄にこだわらないことは下げます。袋が手取りの15パーセントを超え続けるなら、まず外食が混ざっていないかを確かめ、次に住居費の比率を見てください。家賃は一度も遅れていないのに食費が3週目で尽きるのは、住居費の問題が食費の顔をして出てきている状態です。
今週やる、袋の変更
食費の袋は統計の表からではなく、自分の直近3か月から作ってください。それだけが、あなたの街と、あなたが行く店と、あなたの世帯をすでに反映している数字だからです。直近12週間のスーパーでの支出を、外食と宅配を抜いたうえで合計し、12で割ります。それが1週間ぶんです。そして月ではなく週で入れてください。ひと月ぶんが月初に袋にあると、一度の大きな買い物か、一度の悪い週が、残りの月を食べてしまいます。週ごとに入れ直せば、7日ごとに判断がリセットされ、被害がその週の中で終わります。Envelope Budget は店を出たところで手入力する形なので、残高が売り場で見られる生きた数字になります。あとから明細を組み直す作業ではありません。
よくある質問
家計調査の平均は、そのまま目標にしていいですか?
方向を知るには役立ちますが、目標にはしないでください。平均は、地域も世帯構成も年齢も食べ方も違う膨大なばらつきの上に乗った一つの数字です。上にいることが、あなたについて何かを証明するわけではありません。使い方としては、自分が桁の違う場所にいるかどうかを確かめて、そこでやめるのが正解です。袋の金額を決めるべきなのは、自分の直近3か月です。どこに住んでいて誰の食事を作っているかを、すでに織り込んでいる唯一の数字だからです。
食費の袋は月ではなく週で入れるのはなぜですか?
買い物が週の行動で、失敗の形が前半への偏りだからです。ひと月ぶんが1日に袋へ入っていると、大きなまとめ買いを誘い、3週目に空になって、残りの食事がカードに乗ります。これが「食費だけはどうしても管理できない」と感じる仕組みです。週ごとに入れると、どんな間違いも7日で区切られ、同じ月のうちにやり直す機会が3回残ります。判断が起きる形にも合っています。売り場で、これを足すかどうかを決める、あの瞬間です。
日用品やお酒はどの袋に入れますか?
食費とは分けてください。洗剤、ティッシュ、ペットフード、市販薬、お酒は、同じレシートに乗るだけで別の性質の支出です。とくに日用品はまとめ買いで一度に大きく動くので、食費に混ぜると、いつ何が起きたのかわからなくなります。レジで分けるのが面倒なら、日用品の袋を別に作って、月に一度まとめて買うと決めてしまうほうが早いです。どちらでもかまいませんが、決めずに放置するのだけは避けてください。
この家計をスマホで回す
Envelope Budget は、この袋をそのままポケットに入れます。すべての金額を割り当て、使ったその場で記録して、実際にいくら残っているかを見ます。
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