食費を減らす:買う回数と、捨てる量から手をつける
食費を減らす手は三つしかありません。買う回数を減らすこと、買う前に献立と在庫を決めておくこと、そして捨てる量を減らすことです。単価の安い店を探すのは四番目で、効きは思ったより小さい。まず一週間の買い物のレシートを全部残して、何を買ったかではなく何回行ったかを数えてください。そのうえで食費の袋を週割りにすると、月の後半に足りなくなる形が消えます。
効くのは単価ではなく、行った回数
同じ家庭が同じものを食べていても、食費は買い物の回数で大きく変わります。店に入るたびに、予定になかったものが一つか二つ入るからです。だから最初の手は、安い店を探すことではなく、行く回数を数えることです。一週間のレシートを全部残して、何回買い物をしたか、そのうち何回が「牛乳だけ買いに行ったつもりの回」だったかを見てください。回数が週に四回、五回あるなら、そこを二回に減らすだけで、値引き品を探し回るより確実に下がります。減らすには、買い物の日を決めて、その日に一週間分を買う形に切り替える必要があります。
献立を決めてから、在庫を見てから、出る
買い物リストは、献立から逆算して作るときだけ機能します。順番はこうです。まず一週間分の夕食を、七つ全部でなくていいので四つか五つ決める。次に冷蔵庫と冷凍庫と棚を見て、すでにあるものを引く。残ったものがリストです。この順番を守ると、家に同じ調味料が三本ある状態や、使いかけの野菜が奥で溶ける状態が減ります。献立を決めるのが負担なら、曜日に型を作ってしまうのが早い。月曜は麺、火曜は魚、水曜は丼、というくらいの粗さで十分です。毎週ゼロから考えるから続かないだけで、型があれば決めるのは具材だけになります。
捨てている分が、いちばん見えない支出
食費の中で自覚されにくいのが、買ったのに食べずに捨てた分です。これは節約の努力とは無関係に、そのまま消えたお金です。一か月、捨てたものだけをメモしてみてください。だいたい同じものが繰り返し出てきます。野菜の後半、豆腐や納豆の期限、開けた調味料、作りすぎた副菜。傾向が分かれば手が打てます。買う量を減らす、冷凍する前提で買う、使い切る日を決めて買う。とくに冷凍は効きます。肉と魚は買った日に小分けして冷凍し、野菜も切って冷凍できるものが多い。買った日にひと手間かけるかどうかで、一週間後に捨てるかどうかが決まります。
店と買い方の使い分け
店の使い分けは、単価そのものより向き不向きで決めるほうが実用的です。日常の食材は近所のスーパー、日持ちする調味料や乾物や飲料は大きめの店やネットでまとめて、少量ずつ必要なものはコンビニ、というように役割を決めます。まとめ買いが有利なのは、保管できて、確実に使い切るものだけです。安いからと大袋を買って半分捨てるなら、それは値上げです。値引きシールを狙う買い方は、時間が合う人には有効ですが、そのために夕方に店へ寄る回数が増えるなら本末転倒になります。プライベートブランドは、味に納得できるものだけ定番に組み込むと、判断の手数が減ります。
袋の作り方:食費は週割りで持つ
食費の袋は、月額を四で割って週ごとに使うのがいちばん機能します。理由は単純で、月額のまま持つと最初の二週間で使いすぎ、後半をひたすら我慢することになるからです。週で区切れば、使いすぎた週はその週で終わり、翌週にリセットされます。外食とテイクアウトは別の袋にしてください。混ぜると、自炊を減らして外食を増やしても食費の合計が変わらず、何が起きているのか分からなくなります。買い物のたびに、レジを離れる前に袋へ記録します。あとでまとめて入力しようとすると、レシートが溜まって、そこで記録が止まります。
よくある質問
食費は手取りの何パーセントが目安ですか?
一律の正解はありません。世帯人数、子どもの年齢、住んでいる地域、外食の頻度で大きく変わります。参考になる公的な統計としては、総務省統計局の家計調査が世帯類型別の消費支出を公表しているので、そこで自分に近い区分を見るのが確実です。ただし、他人の平均に合わせることが目的ではありません。まず自分の直近三か月の実績を出し、それを出発点にして、減らしたい額を決めるほうが実際に動きます。
まとめ買いと、こまめな買い物のどちらが安いですか?
多くの家庭ではまとめ買いのほうが下がります。店に入る回数が減ると、予定外の購入が減るからです。ただし条件があって、買ったものを使い切れることと、保管場所があることです。一人暮らしで冷蔵庫が小さい場合、まとめ買いは食品ロスに直結することがあります。その場合は、日持ちするものだけまとめ買いし、生鮮は少量ずつ、という分け方が現実的です。自分がどちらで捨てているかは、一か月のロス記録を見れば分かります。
食費を減らそうとすると続きません。どうすればいいですか?
減らす額を小さくして、期間を長くしてください。いきなり三割減らす計画は、二週間で破れて反動が来ます。まず現状の実績を出し、そこから一割だけ下げた額を袋に入れて一か月やってみる。回ったらもう一段。もうひとつ、外食と自炊の袋を分けておくと、我慢の対象がはっきりします。全部をまとめて「食費」として削ると、何を我慢しているのか自分でも分からなくなり、それがいちばん続かない形です。
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