ネット回線の料金を下げる:セット割と工事費の残債を先に見る
ネット回線の請求は、回線の利用料、プロバイダ料、オプション、そして工事費の分割が一つの数字にまとまっていることが多く、合計だけを見て他社と比べると必ず判断を誤ります。まず明細を分解し、使っていないオプションを外し、契約期間と解約金と工事費の残債を確認します。そのうえで、スマホとのセット割が何に紐づいているかを必ず調べてください。片方を安くすると、もう片方が上がる構造になっていることがあります。
請求を四つに分解する
まず合計ではなく明細を開きます。ふつう、そこには回線そのものの利用料、プロバイダの料金、ルーターのレンタルやセキュリティなどのオプション、そして開通工事費の分割が並んでいます。四つ目が重要です。工事費は分割で毎月の請求に乗り、割引で相殺されている形になっていることがあり、その場合は途中で解約すると残りが一括で請求されます。つまり「今の月額」は、他社と比べるべき数字ではありません。比べるべきは、オプションと工事費の分割を除いた、回線とプロバイダの実質的な料金です。この分解をしないまま乗り換えると、安くなったはずなのに翌月の請求が跳ねます。
オプションと、契約の期間条件
オプションは開通時に「初月無料」でまとめて付いたまま、何年も気づかれないことがよくあります。ひとつずつ、家族の誰かが実際に使っているかを確認して、使っていないものは外します。次に契約期間です。自動更新型の契約では、決められた更新月以外に解約すると解約金がかかる形になっていることがあります。更新月がいつなのか、そもそも期間の縛りがある契約なのか、会員ページか契約書で確認してください。ここまでを紙に書き出すと、乗り換えるべきかどうかが判断できる状態になります。書き出す前に他社の広告を見に行くと、比較にならない数字どうしを比べることになります。
セット割は、切ると別のところが上がる
日本のネット回線でいちばん多い失敗がこれです。スマホの回線と光回線をまとめると割引になるセット割は、家族の人数分に効いていることが多く、しかも割引はスマホ側の請求に付いていることがあります。だから光回線だけを見て安いほうに乗り換えると、家族全員のスマホ代が上がり、差し引きで損をします。判定のしかたは決まっていて、今かかっている割引の名前を控え、その割引が「何と何を同時に契約していることを条件にしているか」を確認します。そのうえで、世帯全体の通信費の合計で比べます。光回線単体の月額で比べているかぎり、この落とし穴は見えません。
建物の条件で、選べるものが決まる
集合住宅では、選べる回線が建物の設備で決まっていることがあります。すでに共用部まで光が来ていて各戸に分配する方式なのか、部屋まで個別に引ける方式なのかで、料金も速度の体感も変わります。無料インターネット付きの物件なら、その回線で足りているかどうかが先の問題で、足りていないなら別に契約する必要があり、そのぶん通信費は二重になります。個別に工事を伴う契約をする場合、賃貸では管理会社や大家さんの許可が必要です。工事の可否を確認しないまま申し込むと、開通できずに手続きだけが残ります。契約前に、建物側の条件を確認してください。
袋の作り方:通信費はひとつの袋にまとめる
光回線とスマホは、割引で互いに結びついているのでひとつの袋にまとめます。「通信費」の袋に、世帯全員のスマホ、光回線、必要ならモバイル回線を全部入れてください。分けて持つと、片方を下げてもう片方が上がったときに、下げた実感だけが残って合計が変わらないことに気づけません。袋を一つにしておくと、見直しの効果が世帯の合計で出ます。もうひとつ、工事費の分割が終わる月をメモに書いておいてください。終わった瞬間に袋の入金額を同じだけ下げるか、その分をそのまま貯金の袋へ移します。放っておくと、必ず生活費に溶けます。
よくある質問
乗り換えたほうが安いかどうか、どう判断しますか?
四つの数字を並べます。今の実質月額(オプションと工事費の分割を除いた回線とプロバイダの料金)、乗り換え先の同じ条件の月額、今の契約を解約したときにかかる解約金と工事費の残債、そしてセット割を失うことで上がるスマホ側の金額です。最後の一つを忘れると、たいてい計算が合いません。この四つを書き出したうえで、乗り換え費用を月々の差額で割って、何か月で回収できるかを見ます。次の契約の縛り期間より回収が長ければ、見送るのが素直です。
工事費の残債があると、解約できないのですか?
解約自体はできますが、分割で残っている工事費が一括で請求される形になっていることがあります。加えて、その工事費を毎月の割引で相殺している契約では、解約した時点で割引だけが止まり、残った工事費が表に出ます。会員ページに残りの回数と金額が出ていることが多いので、まずそこを確認してください。金額が分かれば、乗り換えで得られる差額と比べて判断できます。分からない場合は、契約している会社に直接聞くのがいちばん早い方法です。
スマホの回線を安くしたら、ネットも見直すべきですか?
同時に見るべきです。多くの場合、光回線の割引はスマホ側の契約と結びついているので、スマホを別の会社に移した瞬間にその割引の条件を満たさなくなり、翌月から光回線の請求が上がることがあります。順番としては、先に世帯全体の通信費を一枚に書き出し、どの割引がどの契約に紐づいているかを整理してから、両方まとめて組み替えるのが安全です。片方ずつ動かすと、途中の月で必ず高くなります。
この家計をスマホで回す
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