夏の冷房代を抑える:設定温度より先にやること
夏の冷房代は、設定温度を我慢して下げるより、同じ体感を安く作るほうが続きます。フィルターの掃除、室外機まわりの環境、風向きと扇風機の併用、そして窓から入る日射をさえぎること。この四つは一度やれば夏じゅう効きます。除湿と冷房の使い分けは機種によって結果が変わるので、自分の家で試して検針票で確かめます。そのうえで光熱費の袋は年間でならして持ちます。
設定温度を1度上げる前に、体感を安く作る
冷房の話はすぐ設定温度に行きますが、我慢で下げた温度は続きません。先にやるのは、同じ設定温度でもっと涼しく感じる工夫です。扇風機やサーキュレーターを併用して空気を動かすと、体感温度は明確に下がります。冷たい空気は下にたまるので、エアコンの風向きを水平から少し上に向け、サーキュレーターで部屋の空気をかき混ぜると、部屋の上下の温度差が減って設定を上げても済みます。加えて湿度です。同じ28度でも、湿っているか乾いているかで体感はまるで違います。除湿を使う日と冷房を使う日を分けるだけで、設定温度の話がだいぶ楽になります。
フィルターと室外機、地味だが毎日効く二つ
エアコンのフィルターにほこりが詰まると、同じ涼しさを出すのに余分に運転することになります。掃除は二週間から一か月に一度、水洗いして完全に乾かしてから戻す。これは道具も費用もいりません。もうひとつが室外機です。室外機は室内の熱を外に捨てる装置なので、まわりが物でふさがっていたり、直射日光で熱せられていたりすると効率が落ちます。吹き出しの前を空け、日よけを作る。ただし室外機に直接カバーをかけて吸排気をふさぐと逆効果なので、あくまで日陰を作る形にします。この二つは毎日効き続ける手当てで、一度やれば忘れていられます。
入ってくる熱を、窓で止める
夏に部屋が暑くなる最大の理由は、窓から入る日射です。冷やす能力を上げるより、入ってくる熱を減らすほうが安く済みます。西日と南向きの窓に、遮光カーテンかレースの遮熱カーテンを足す。外側に簾やシェード、緑のカーテンを付けられる住まいなら、外で止めるほうが効きます。ガラスに貼る遮熱フィルムも選択肢ですが、賃貸では退去時の原状回復に関わるので、貼る前に契約と管理会社の条件を確認してください。窓まわりの手当ては数千円で終わり、しかも冬の断熱にもそのまま効きます。夏だけの投資ではありません。
除湿と冷房、どちらが安いかは自分の家で決まる
この問いに一般解はありません。除湿には、空気を冷やして水分を抜いたあとそのまま送る方式と、抜いたあと温め直して送る方式があり、後者は電気を余分に使います。どちらの方式かは機種によります。だから比べ方はひとつしかありません。同じような気候の日に、除湿で過ごす日と冷房で過ごす日をつくり、検針票やアプリの使用量を見比べることです。数日分でも傾向は出ます。ここで大事なのは、他人の家の結論を持ってこないこと。機種と部屋と住んでいる地域が違えば、答えは普通にひっくり返ります。
袋の作り方:夏冬の山を平らにする
冷房代は7月から9月に集中して、他の月にはほとんど出ません。実額どおりに払っていると、その三か月だけ家計が別物になります。光熱費の袋には毎月同じ額を入れてください。額は直近12か月の請求を合計して12で割った数字です。夏と冬は袋から足が出て、春と秋は余ります。余りは余裕ではなく、次の山のためのお金です。アプリの袋を見れば、いま夏の分が足りているかどうかが一目で分かります。銀行の残高では、6月の余裕と8月の不足が同じ数字の中に溶けてしまい、その区別がつきません。
よくある質問
冷房は何度に設定するのが正解ですか?
正解の温度をここで指定することはできません。体調、湿度、部屋の日当たり、同居している人の年齢で必要な室温は変わりますし、暑さの我慢は健康の問題に直結します。家計の側から言えるのは、設定温度を下げる前に、扇風機の併用、フィルター掃除、日射のさえぎりで体感を安く作るほうが効率がいい、ということだけです。それをやったうえで、快適に過ごせるいちばん高い設定温度が、あなたにとっての正解になります。
外出のたびに消したほうがいいですか?
外出時間の長さで変わります。エアコンは室温を目標まで下げるときにいちばん電力を使うので、短時間の外出で消すと、帰宅後にまた同じ立ち上げをやり直すことになります。目安としては、数十分なら付けたまま、数時間なら消す、という使い分けをする人が多いですが、断熱性能と外気温で分かれ目は動きます。自分の家での分かれ目は、実際に両方の日を作って使用量を比べれば分かります。
古いエアコンは買い替えたほうが安くつきますか?
回収年数で判断してください。買い替え費用(本体、工事、処分費を含む)を、年間で減る電気代の見込みで割ると、何年で元が取れるかが出ます。その年数が新しい機種の想定使用年数より短ければ、経済的には合理的です。年間の差額は、メーカーが公表している期間消費電力量の目安と、自分の使用時間から概算できます。夏の数か月しか使わない部屋なら、回収年数は当然長くなるので、買い替えは急がなくていい、という結論も普通にあります。
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