生活防衛費の最初の10万円を作る
生活防衛費の最初の10万円は、5か月なら月2万円、10か月なら月1万円、20か月なら月5,000円です。金額としては小さく見えますが、ゼロから10万円までの区間はいちばん効き目が大きい区間で、突然の支払いをカードや借入に乗せずに済む最初の一歩になります。何か月分という完成形を考える前に、この10万円だけを先に片づけてください。
なぜ完成形より先に、この10万円なのか
生活防衛費の完成形、つまり生活費の何か月分という数字は、たいていの家計にとって遠すぎます。遠すぎる目標は、始めた翌月には日常に埋もれます。だから最初の区切りを近くに置きます。ゼロと10万円のあいだには、はっきりした違いがあります。手元に何もない状態では、急な出費がそのままカードの残高になり、翌月の家計を圧迫します。10万円あると、その連鎖が一度止まります。金額の大きさではなく、連鎖を止められるかどうかが違いです。だから完成形の議論はいったん置いて、この10万円だけを先に片づけてください。ここを越えると、次の判断は驚くほど簡単になります。
割り算を、続けられる高さに合わせる
10万円は、5か月なら月2万円、10か月なら月1万円、20か月なら月5,000円です。ここで選ぶべきは、いちばん早い数字ではなく、毎回必ず払える数字です。理由は単純で、この段階の目的は金額ではなく、給料日に先に取り分けるという順番を体に入れることだからです。一度でも払えない月が出ると、その順番自体が壊れます。月5,000円で20か月かかる計画は遅く見えますが、途中で止まる月2万円の計画より確実に10万円に届きます。もし賞与があるなら、そこから一度に入れて期間を縮めても構いません。骨は月々の額で、賞与は上に乗せる肉です。
10万円がどこから出るか
この規模なら、生活を大きく変えなくても出せることが多いです。まず固定費です。通信プラン、動画や音楽やクラウドの月額、使っていない会員費や特約。一度直せば毎月効き続けるので、最初に手をつけます。次に、月に一度だけ意識する支出。まとめ買いの回数、外食の回数、コンビニに寄る回数のどれか一つを決めて減らします。三つめは臨時の入金で、使っていないものを売る、還付や精算で戻ってきたお金をそのまま袋に入れる、といったものです。この段階では、生活の全部を見直そうとしないでください。手を広げるほど続きません。二つか三つに絞ります。
10万円を守る条件を、先に書いておく
作るより、崩さないほうが難しい金額です。だから、どういうときに使ってよいかを先に書いておきます。書いていないと、少し大きい買い物のたびに、これは緊急だったかもしれないと思えてきます。目安になる線はひとつ、それを払わないと生活か仕事が止まるかどうかです。冷蔵庫が壊れた、通院が必要になった、収入が止まった。これは使う場面です。セールで安かった、旅行の予定が入った、これは違います。使ったときは、金額と理由と、いつまでに戻すかを同じ日に書いてください。戻す期限を決めないと、10万円は二度と戻りません。
袋のほうをどう設定するか
生活防衛費の袋を作り、目標額を10万円にします。この袋は、貯金目標とも特別費の積立とも分けます。用途が違うからです。給料日には、娯楽より先にこの袋へ入れます。金額は小さくて構いませんが、順番は先です。置き場所は、生活費の口座と混ざらないところにしてください。残高に混ざると、あるはずのお金が消えます。Envelope Budget では袋ごとに目標額を持てるので、10万円に対して今いくらかが割合で見えます。ホーム画面のウィジェットに出しておけば、達成までの残りが毎日目に入ります。
よくある質問
10万円で足りますか
完成形としては足りません。これは最初の区切りで、突然の支払いが借入に変わる連鎖を一度止めるための金額です。完成形は、生活必需の月額に何か月分かを掛けた数字で、月数は収入の安定度と扶養の有無で変わります。ただし、その完成形を最初の目標にすると遠すぎて続きません。10万円まで来たら、次は生活必需の1か月分、その次は3か月分、と区切りを足していってください。区切りが近いほど、途中でやめる確率は下がります。
借入の返済と、この10万円はどちらが先ですか
金利と状況によるので、残高を見ずに決められることではありません。ただ、手元に現金がまったくない状態で返済に全力を出すと、次の予想外の出費で必ず借入が増え、進んだ分が戻ります。だから、小さい生活防衛費を先に作ってから返済に集中する人が多いのには理由があります。どちらを選んでも、やり方は同じです。給料日に、決めた額を先に袋へ移す。返済を優先すると決めたなら、10万円ではなくもっと薄い金額で袋を維持し、返済が終わってから厚くします。
10万円はどこに置いておくのが良いですか
必要になったその日に引き出せて、普段の生活費と混ざらない場所です。目的別の口座を使う、別の口座に移す、といった方法があります。すぐ出せない場所に置くと、いざというときに使えず意味がなくなります。逆に、生活費の口座に置いたままだと、残高に混ざって消えます。どこに置く場合でも、袋の記録と実際の残高を一致させてください。二か所で数字が食い違うと、そこで管理そのものをやめてしまう人が多いからです。
この家計をスマホで回す
Envelope Budget は、この袋をそのままポケットに入れます。すべての金額を割り当て、使ったその場で記録して、実際にいくら残っているかを見ます。
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