塾代と習い事は、家計のどこまでを占めていい?
塾の月謝を12倍しても、年間にかかる額にはなりません。夏期講習、冬期講習、直前講習、教材費、模試代、施設維持費が別の請求として乗るからです。だから最初にやることは、塾に「年間の費用が全部載っている表」をもらうことです。そのうえで、毎月の月謝は固定費の袋に、季節の講習費は特別費の積立に分けます。これをやらないと、講習のある月が毎回、家計の失敗のように見えます。
12倍しても年額にならない
教育費がほかの費目と違うのは、金額の大きさではなく、請求の形です。月謝は毎月同じ額で来ますが、それとは別に、春期・夏期・冬期の講習費が来ます。受験学年なら直前の特別講座が来ます。教材費、模試代、施設維持費、志望校別の対策講座も、それぞれ別の請求です。つまり年間の合計は、月謝の12倍よりかなり上になります。ここを知らないまま月謝だけで家計を組むと、講習のある月に必ず足りなくなり、しかもそれが毎年三回ほど繰り返されます。使いすぎたのではありません。最初から数えていなかっただけです。数え方を変えると、この費目は急に扱いやすくなります。
塾に年間の費用表をもらう
入塾を検討している段階でも、すでに通っている段階でも、聞くことは同じです。この学年で、この一年に発生する費用を全部書き出したものをください、と頼んでください。多くの塾は用意しています。そのうえで、四つを確認します。月謝以外に何が、いつ請求されるのか。講習は必修か任意か、任意なら実際にはどのくらいの生徒が受けているのか。学年が上がるときに月謝がどう変わるのか。そして、途中でコマ数を増やす提案が来る時期はいつか。金額を推測する必要はありません。相手が持っています。あなたの仕事は、その数字を12か月のカレンダーの上に並べることです。並べた瞬間に、どの月が重いかがわかります。
習い事は、始まりが早くて終わりが決まっていない
スイミング、ピアノ、そろばん、英会話、体操。習い事は塾よりずっと早く始まって、いつやめるかを誰も決めていないまま続きます。しかも月謝以外の費用が同じ構造で乗ります。発表会や大会の参加費、衣装や道具、進級テストの費用、送迎のガソリン代や交通費。ここでやるべきなのは、いくつまで、という話ではありません。一つひとつについて、月謝と年間の付随費用を書き出して、合計を出すことです。合計を見てから、続けるものを決めます。多くの家庭は、個々の月謝は安いと思っていて、合計を見て初めて判断できるようになります。合計を見ずに増やしていくのが、いちばん静かな膨らみ方です。
教育費が重いとき、先に止まるもの
教育費は、住居費の次に大きくなり得る費目で、しかも途中でやめにくい性質があります。そのため圧力は教育費には出ません。ほかの場所に出ます。まず特別費の積立が止まります。車検も更新料も帰省も、来るとわかっているのに積めなくなります。次に貯金が止まり、そのあと、講習費がカードの分割に乗ります。この三つが同じ年に並んだら、締めつけではなく構造の問題です。判断は、努力の量ではなく、コマ数か、習い事の数か、期間のどれを変えるかになります。冷たく聞こえるかもしれませんが、決めずに進むと、決めたのと同じことが、あとから、より高い金額で起きます。
袋の作り方:月謝と講習費を分ける
袋は二つに分けてください。ひとつは月謝の袋で、家賃と同じ扱いにします。給料が入った日にまとめて取り分けて、あとは考えません。もうひとつは講習費の積立です。年間の費用表から、月謝以外の合計を出して12で割り、毎月そこへ入れます。夏期講習の請求が来たとき、それはすでにあるお金からの引き出しになります。受験学年に入る家庭は、前の学年のうちから積み始めてください。費用が上がるのは学年が変わった月からで、積立を始められるのはその前だからです。Envelope Budget では積立の袋に目標額を付けられるので、次の講習までにいくら足りないかが、計算し直さずに見えます。
よくある質問
塾代の相場はいくらですか?
ここでは出しません。塾の料金は、地域、集団か個別か、学年、コマ数、受験するかどうかで大きく違い、平均のような数字を書くと、あなたの塾の請求と噛み合わないまま判断材料にされてしまうからです。代わりに、あなたの塾が出す年間の費用表を使ってください。そこには月謝も講習費も教材費も、実際の金額で書かれています。相場を知ることに意味はほとんどなく、自分の一年の合計を知ることには大きな意味があります。
習い事はいくつまでにすべきですか?
数で決めないでください。決めるのは合計です。それぞれの習い事について、月謝と、年間に出てくる付随費用、送迎の交通費まで足して、一年の合計を出します。全部を足して、手取りに対してどのくらいかを見てください。そのうえで、特別費の積立と貯金が止まっていないかを確認します。止まっていないなら、数は問題ではありません。止まっているなら、どれを続けるかを決める材料が、いま初めて手元にそろったということです。
急に「講習を追加しませんか」と言われました。どうしますか?
その場で決めないでください。金額と、いつ請求されるかを聞いて、持ち帰ります。そして講習費の積立の残高を見ます。残高で足りるなら、それは計画の中の判断です。足りないなら、どの袋から出すのかを先に決めてから返事をします。決めずに承諾すると、差額はいちばん抵抗しない袋、たいてい食費が引き受けます。教育費の判断がつらいのは、断りにくいからではなく、原資を決めないまま返事をするからです。
この家計をスマホで回す
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