銀行と連携しない家計簿アプリを選ぶ
銀行と連携しない家計管理の道具は、大きく5種類あります。手入力の袋分けアプリ、出入りだけを並べるシンプルなアプリ、表計算、端末内に置くローカル保存型、そして紙です。どれを選ぶかは「なぜ連携したくないのか」で決まります。ログイン情報を渡したくない、あるいは連携がうまく続かないだけなら5つとも条件を満たします。使った瞬間に自分で気づきたいなら、持ち歩ける端末で手入力するものに絞られます。
結論から:連携しない道具は5種類
銀行のIDやパスワードを必要としない家計管理の道具は、大きく5種類に分かれます。ひとつめは手入力の袋分けアプリで、手取りを袋に割り当てて、使ったら自分で記録します。私たちが作っているのはこれです。ふたつめは費目を持たず、入ってきたお金と出ていったお金を一本のリストに並べるだけのシンプルなもの。みっつめは表計算。よっつめはデータを自分の端末や自分のサーバーに置くローカル保存型。いつつめは紙で、現金の袋分けでも手書きの家計簿でもここに入ります。どれも「連携なし」という点では同じですが、解決している問題が違います。だから比べる前に、自分がなぜ連携を避けたいのかをはっきりさせたほうが早く終わります。
理由その一:銀行のログイン情報を渡したくない
いちばん多い理由で、いちばん簡単に満たせます。上の5つはどれも構造的に条件を満たすからです。ここで確かめる価値があるのは「連携をオフにできるか」ではなく「そもそも連携する仕組みを持っているか」のほうです。取り込み機能を持っている道具は、たとえ使わなくても、アカウントとデータの通り道を持っています。だから質問をもっと狭くします。何が、いつ、端末の外に出るのか。安心してくださいという言葉ではなく、具体的な答えが返ってくるかどうかで判断してください。私たちの答えはプライバシーポリシー(/privacy)にあります。お金のデータは端末内のデータベースにあり、アカウントなしで使えて、自動で送られるものはありません。銀行の認証情報は、受け取る場所そのものがありません。
理由その二:連携がうまく続かない
連携そのものに反対ではなく、単に自分のところでは動かない、という人もいます。使っている金融機関が対応していない、再認証をたびたび求められる、明細の反映が遅れる、自動で付く費目が半分ずれている。これは自動化の顔をした維持作業です。しかも壊れ方が悪い。エラーを出さずに静かに止まるので、更新の止まった数字を信じたまま買い物をすることになります。上の5つは、どれもこの壊れ方をしません。代わりに、入力を自分で引き受けます。ここは正直に書いておきますが、こちらが休んだ分を埋めてくれる仕組みは、どこにもありません。壊れない道具は、代わりにやってくれる道具でもない。
理由その三:使った瞬間に気づきたい
この理由だと、選択肢は一気に狭くなります。記録することで支出に気づくのが目的なら、道具は買い物の現場に一緒にいなければなりません。つまり携帯です。表計算は手入力ですが、その場にいない。入力は週末にまとめられ、その時点でやっているのは記録ではなく思い出しです。思い出しは会計としては正しくても、判断は変えません。水曜日に買ったものを日曜日に考え直す人はいないからです。現金の袋分けはこの効果がいちばん強く、届く範囲がいちばん狭い。口座振替もネット注文も現金を通らないからです。携帯での手入力はその中間にあります。その場にいて、どの支払い方法でも記録できる。
日本の家計は、支払いのレールが4本ある
現金、翌月にまとめて引き落とされるクレジットカード、QRコード決済、そしてチャージして使う交通系ICカード。ひとつの家庭でこの4本が同時に走っているのが普通です。記録が壊れるのはここです。チャージ式のものは「お金を移した日」と「使った日」がずれるので、明細をそのまま足すと二重になり、チャージだけを記録すると中身が見えません。クレジットカードは使った月と落ちる月がずれます。これは連携の有無と関係なく起きる、記録のルールの問題です。袋分けで扱うなら、チャージは支出ではなく袋から袋への移動として扱い、支出は買ったその場で記録します。ルールを先に決めておけば、どのレールで払っても袋の残高は正しく減ります。
私たちの立ち位置と、その代償
Envelope Budget は手入力、iPhone のみ、銀行連携はどこにもありません。手取りを袋に割り当て、買ったその場で記録し、袋の残高はホーム画面とロック画面のウィジェットに出ます。払う前に読めるということです。作っている側の説明なので、そのつもりで読んでください。向いていない人ははっきりしています。明細を自動で取り込みたい人、Android の人、資産や投資の残高までまとめて見たい人。代償も書いておきます。入力を忘れた支出はただ存在しないままになり、その後の残高は気づくまでずっと間違っています。対策は地味です。店を出る前に入れる。袋は6〜10個に抑えて、どこに入れるか迷わないようにする。ウィジェットを置いて、探しに行かなくても目に入るようにする。
よくある質問
銀行と連携しない家計簿アプリはありますか。
あります。しかも一種類ではなく、手入力の袋分けアプリ、出入りだけを並べるシンプルなアプリ、表計算、ローカル保存型、紙と、性格の違う5種類に分かれます。入れる前に確かめるべき区別は、連携機能がそもそも無いのか、あるけれど使わずに済むのか、です。後者はアカウントもデータの送り先も存在しています。気にしているのが認証情報そのものなのか、データの行き先なのかで、選ぶべきものが変わります。
連携しないと、結局は入力が続かないのでは。
その可能性は本当にあります。自分は記録しないと分かっているなら、自動で取り込む道具のほうが確実で、私たちはそれを否定しません。ただ、続かない理由が「毎日つけるのが重い」なら、原因は手入力ではなく費目の多さであることが多いです。袋を6〜10個まで減らすと、1件あたりの判断がほぼ消えます。それでも1か月続かなかったら、そのときは自動側に戻ってください。相性の話であって、根性の話ではありません。
クレジットカードの支払いは、いつ記録すればいいですか。
買ったその日に、その袋から記録します。引き落とし日ではありません。引き落としは、すでに使い終わったお金が口座から出ていくだけの動きで、家計の判断はもう終わっています。買った日に記録すれば、袋の残高はその場で減り、次の買い物の前に見える。引き落とし日に記録すると、月をまたいだ支出が今月の袋を食うので、毎月ずれ続けます。カードの請求額と袋の合計が合うかどうかは、月末に照合すれば足ります。
自動で取り込むアプリと、併用してもいいですか。
かまいませんし、実際そうしている人はいます。役割を分けるのがこつです。自動側は「実際に何が落ちたか」の記録として、袋分け側は「これから何に使っていいか」の上限として使います。ただし同じ支出を両方で管理しようとすると、どちらも中途半端になって、片方の更新を先にやめます。上限を決める側を一本に決めてください。決めた側が、あなたの家計の本体になります。
この家計をスマホで回す
Envelope Budget は、この袋をそのままポケットに入れます。すべての金額を割り当て、使ったその場で記録して、実際にいくら残っているかを見ます。
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