チャージ式カードのポケットと、アプリの袋
先にお金を入れておくチャージ式のカードには、アプリの袋にはない強制力があります。入っていない分は決済が通らないので、意志を使わずに止まる。弱点は届く範囲と手数です。家賃や口座振替、対応していない支払いには使えず、枠を増やすたびに実際にお金を移す操作が要ります。仕様も枠の数も発行元ごとに違うので、自分が使うものの規約で確かめてください。現実的なのは併用で、変動費はカード、固定費と特別費の積立はアプリの袋に置きます。
先に入れておく仕組みの、本当の強み
使う前にお金を入れておく仕組みには、袋分けアプリが構造的に持てない性質があります。入っていない分は決済が通らないことです。用途ごとの枠に分けられるものもあり、その場合は費目ごとに同じことが起きます。アプリの袋は、あなたが自分と交わした約束なので、超えたければ超えられます。カードは超えられません。ここは大きな違いで、自分の意志を当てにできないと分かっている人にとっては、それだけで選ぶ理由になります。仕様、枠の数、使える加盟店、返金や解約時の扱いは発行元ごとに違うので、比較する前に、自分が使うものの規約を読んでください。ここでは種類の話しかしません。
その代わりに払うもの
4つあります。ひとつ、届かない支払いがあります。家賃、口座振替の固定費、一部のネット決済や公共料金は通らないことがあり、そこは結局別の手段で払うことになります。ふたつ、手数が増えます。枠を増やしたり金額を変えたりするたびに、実際にお金を動かす操作が要ります。アプリの袋は名前を変えるのも分けるのも消すのも数秒で、1円も動きません。みっつ、残高が現金と別勘定になります。カードの中のお金は、口座の残高にも財布の中にも見えないので、合計を把握する手間がひとつ増えます。よっつ、返金や解約のときの扱いが仕組みごとに違います。ここは規約で確かめる部分です。
チャージは支出ではありません
記録がいちばん壊れるのがここです。チャージした金額を支出として記録すると、そのお金で買ったコーヒーを記録したときに二重になります。逆に買い物だけを記録すると、チャージした事実がどこにも残らず、月の合計が合わなくなります。ルールはひとつで十分です。チャージは支出ではなく、袋から袋への移動として扱う。そして支出は、買ったその場で記録する。私たちのアプリでは、袋にお金を入れる操作は入金という取引として残るので、いつどれだけ移したかは履歴で追えます。この扱いは、交通系ICカードでも、QRコード決済の残高でも、同じです。レールが違っても、記録のルールは1本にしてください。
現実的な併用の形
強制力が要る費目と、内訳が要る費目を分けます。使いすぎが実際に起きている変動費、たいていは外食と自分の買い物は、チャージ式のカードに任せます。入れた分だけしか使えないという性質が、そのまま上限になります。家賃や通信費や保険のような、日付の決まった固定費は、もともと使いすぎようがないので、アプリの袋で金額だけ管理します。そして特別費の積立、つまり車検や更新料や冠婚葬祭のように、いつか来ると分かっている大きな出費は、アプリの袋のほうが向いています。数が多く、金額を毎月見直すことになり、使うのは何か月も先だからです。カードの枠を毎月組み替えるより、ずっと軽い。
どちらを選ぶかは、自分の失敗の形で決まる
決め手は機能の数ではありません。自分がどう失敗するかです。決めた上限を知りながら超えてしまうのが繰り返しなら、止まる仕組みのほうを選んでください。摩擦そのものが商品なので、手数の多さは代金として妥当です。逆に、超えるのではなく「何にいくら使ったか分からない」のが問題なら、止まる仕組みは効きません。カードは残高がゼロになったことは教えてくれますが、その内訳が食費だったのか外食だったのかは教えてくれないからです。そこは袋の仕事です。そして多くの人は、費目によって両方の失敗をしています。だから併用になります。
よくある質問
チャージ式のカードがあれば、家計簿アプリは要りませんか。
使いすぎを止めるだけなら要らないかもしれません。入れた分しか使えない性質が、そのまま上限として働くからです。要るのは、内訳と、カードが届かない支払いの管理です。家賃も口座振替も、そしていつか来る大きな出費の積立も、カードの外にあります。全体の合計を持つ場所がどこにもないと、月末に何が起きたか分からないままになります。役割を分けて、両方を持つのが現実的です。
チャージした金額は、家計簿にどう書けばいいですか。
支出としては書きません。袋から袋への移動として扱ってください。支出は、そのお金で実際に何かを買った時点で記録します。この順番を守れば、月の合計はカードの利用明細と一致します。逆にチャージを支出として書くと、買い物を記録したときに二重になり、書かないと中身が見えません。交通系ICカードでもQRコード決済の残高でも、扱いは同じにしてください。レールごとにルールを変えると、必ずどこかで合わなくなります。
カードの枠と、アプリの袋を両方作ると二重管理になりませんか。
同じ費目を両方で管理するとそうなります。費目ごとにどちらか一方に決めてください。境目は性質で引きます。使いすぎが起きる変動費はカード、日付の決まった固定費と、何か月も先に使う積立はアプリの袋。どちらに置くか迷う費目が残っているなら、そこが崩れる場所です。迷ったら、止める必要があるかどうかで決めてください。止める必要がなければ、袋のほうが軽い。
どちらが節約になりますか。
道具は節約しません。決めた上限が守られるかどうかだけが効きます。止まる仕組みは、意志に頼らずに上限を守らせるという一点で強い。袋は、上限を守るかどうかを自分に任せる代わりに、上限そのものを細かく決めて、何にいくら使ったかを見せます。自分がどちらで失敗しているかを1か月見てから決めてください。今の失敗の形が分からないうちに道具を替えると、同じ失敗を新しい画面で繰り返すことになります。
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