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フリーランスの袋分け:先に税金の袋、そのあと生活

フリーランスの家計が会社員と決定的に違うのは、口座に入った金額のうち、いくらが自分のものかが入金時点では確定していないことです。税金と社会保険料は、あとから通知書という形でまとめて来ます。だからこの配分では、いちばん最初の袋を税金と社会保険料に割り当てています。割合は他人の数字ではなく、自分の前年の申告書と納付書から逆算して決めてください。金額も税率もここには書きません。

内訳

%
🧾 税金・社会保険料
入金があった月に、割合を掛けて即座に隔離します。ここに手をつけないことが全部の前提。
22%
🏠 家賃・住居費
自宅兼事務所なら、按分の考え方は申告側の話。家計としては実際に払う額を入れます。
20%
🛒 食費(自炊)
仕事の合間の外食とは分けます。混ぜると削れる場所が見えません。
11%
💡 光熱費
在宅で働くぶん、会社員より高くなります。年間でならした額を入れます。
5%
📱 通信費
回線と携帯。仕事に直結するので、削る優先度は低めです。
4%
🚃 交通費
打ち合わせと移動。請求に含めて回収できる分は除きます。
3%
🛠️ 事業経費
機材、ソフト、外注、資料。家計と混ぜると、どちらの数字も信用できなくなります。
6%
🛡️ 保険
火災保険や賠償責任保険など、自分名義の契約。年払いは12で割ります。
3%
🛟 生活防衛費
入金が止まっても暮らしが続く月数を作る袋。会社員より厚く持ちます。
10%
🎯 貯金
生活防衛費が目標に届くまでは薄くて構いません。目的は書きます。
5%
🍽️ 娯楽・外食
予算に入っているので、後ろめたさなしで使えます。
5%
📅 特別費の積立
機材の買い替え、年払いの会費、冠婚葬祭、帰省。
4%
🧯 予備費
端数と、その月の想定外を吸収します。
2%

入金額は手取りではない

会社員の家計は、税と社会保険料が引かれたあとの振込額から始まります。フリーランスにはその工程がありません。入金された金額の中に、まだ払っていない税金と社会保険料が混ざったまま口座に入ってきます。この混ざった状態のまま生活の判断をするのが、フリーランスの家計が崩れるほぼ唯一の原因です。だから最初にやるのは、入金があった時点で決めた割合を掛けて、税金と社会保険料の袋へ移すことです。移したあとの残りが、あなたの手取りです。この一手間を入れるだけで、納付の時期に慌てる状態はほぼ消えます。

割合は自分の去年から逆算する

何パーセントを取り分けるべきかを、他人の数字で決めてはいけません。所得の額、事業の形、控除の中身、自治体で変わるものなので、一般的な率をここに書くことはできませんし、書けば誤解を招きます。使えるやり方は一つあります。前年に実際に納めた合計額、つまり所得税、住民税、国民健康保険、国民年金の納付書に書かれていた金額を足して、前年の売上で割る。出てきた割合が、あなた自身の実績に基づく取り分け率です。開業一年目で前年の実績がないなら、多めに取り分けておいて、申告後に精算するほうが安全です。

通知書が来るまで金額は分からない、が時期は分かる

納付の金額は通知書が来るまで確定しません。しかし、どの種類の納付がどのあたりの時期に来るかは、一度経験すれば自分のカレンダーとして分かります。前年に届いた納付書と、実際に払った日を一覧にして、月ごとに並べてください。これで、年のうち納付が重なる月がどこかが見えます。その月に向けて袋を厚くしておくのではなく、毎月一定額を入れ続けて、重なる月にそこから払う。金額を当てにいくのではなく、時期に備える。制度の中身や納め方については、税務署と自治体からの案内が正解で、このページでは扱いません。

事業と家計を同じ袋に入れない

機材、ソフト、外注費、資料代を生活費と同じ袋から出していると、二つのことが同時に分からなくなります。事業として利益が出ているのか、生活として足りているのか。どちらも判断できない状態は、忙しい時期ほど危険です。事業経費は専用の袋にして、できれば口座も分けてください。分けたうえで、事業の袋から生活の袋へ「自分への支払い」として毎月一定額を移す形にすると、売上が動いても生活側のリズムが崩れません。会社員が毎月同じ日に給与を受け取っているのと同じ構造を、自分で作るということです。

生活防衛費は会社員より厚く持つ

フリーランスには、失職という一日で起きる出来事の代わりに、入金が細っていくという緩やかな形の収入減があります。緩やかなぶん気づくのが遅れ、気づいたときには次の仕事までの距離が長くなっています。だから生活防衛費は、会社員の家計より厚く持つ意味があります。目標の決め方は金額ではなく月数です。固定の袋と食費を足した額が一か月分。案件が途切れてから次が動き出すまでにかかる期間を自分の仕事の実感で見積もり、その月数を掛ける。他人の推奨月数ではなく、自分の業種の回復速度で決めてください。

よくある質問

税金の袋には何パーセント入れればいいですか?

一般的な率は示しません。前年に実際に納めた合計額を前年の売上で割った数字が、あなたの実績に基づく取り分け率です。開業一年目で実績がないなら多めに取り分け、申告が済んだ時点で精算してください。多く取り分けすぎて困ることはありませんが、少なすぎると納付の月に生活費から出すことになります。

国民健康保険や年金の金額を知りたいのですが。

このページでは扱いません。自治体と年度と所得で決まるもので、目安を書くと自分の通知と食い違います。届いた納付書に書かれた金額を、そのまま袋の必要額として使ってください。まだ届いていない時期は、前年の納付書の金額を仮置きにするのがいちばん近い数字です。

売上が月によって大きく動きます。

平均ではなく、直近一年でいちばん少なかった月を基準に袋を組んでください。割合はそのまま使えます。多く入った月は、増えた分を税金の袋と生活防衛費に先に送り、生活の袋は動かさない。生活水準を最も良かった月に合わせると、少ない月が来るたびに家計ごと組み直すことになります。

屋号の口座を分けるべきですか?

口座を分けるかどうかは手続きの話ですが、家計側の答えははっきりしています。事業のお金と生活のお金が同じ残高として見えている限り、どちらの判断も精度が落ちます。口座を分けられないなら、せめて袋を分けて、残高を別々に見られる状態にしてください。

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