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単身赴任:家がふたつある家計の組み方

単身赴任は、選んだのではなく命じられて始まる二重生活です。住居費、光熱費、食費が二か所で発生し、そこに定期的な帰省の交通費が乗ります。会社から手当が出る場合もありますが、金額は勤務先ごとに違うので、ここでは自分の給与明細に書かれている数字を使ってください。この家計で最も重要なのは、二つの家の費用を別の袋に分けることです。ひとつにまとめると、どちらでいくら使っているかが分からなくなり、赴任が終わったときに元の家計に戻せなくなります。

内訳

%
🏠 本宅の住居費
家賃または住宅ローン。世帯の軸になる支払いです。
24%
🏢 赴任先の住居費
社宅か賃貸か。手当がある場合は差額だけを入れます。
12%
🛒 本宅の食費
家族が使う袋。買い出しの担当を決めておきます。
13%
🍱 赴任先の食費
外食に寄りやすい費目。ここだけ週で区切ると効きます。
8%
🚄 帰省の交通費
月何回帰るかを先に決めて、回数×往復で金額を出します。
7%
💡 光熱費(二か所)
二か所分。赴任先は不在が多くても基本料金がかかります。
8%
📱 通信費
二か所の回線と端末。まとめられるか年に一度確認します。
4%
🛡️ 保険
住まいが二か所になると契約も変わることがあります。
3%
🎯 貯金
赴任が終わったあとに戻すための資金もここに含めます。
8%
📅 特別費の積立
更新料、車検、冠婚葬祭、年末年始の帰省の上乗せ分。
6%
🎉 娯楽・交際
赴任先での付き合いも、家族の予定もここから。
4%
🧯 予備費
二か所ある分だけ想定外も二倍起きます。
3%

二つの家を、二つの袋に分ける

単身赴任の家計でいちばんやってはいけないのは、二か所の費用をひとつにまとめることです。まとめると、生活費が増えたことは分かっても、どちらでいくら増えたのかが分かりません。赴任先の外食が多いのか、本宅の光熱費が上がったのか、判断する材料がなくなります。住居費、食費、光熱費の三つは必ず二本ずつ持ってください。袋の数は増えますが、赴任先の袋だけを見れば自分の生活の把握ができ、本宅の袋は家族と共有できます。管理の単位が生活の単位と一致します。

手当は、差額だけを見る

会社から単身赴任に関する手当が出る場合、その金額は勤務先ごとに違います。ここで一般的な水準を示すことはしません。やるべきなのは、給与明細に書かれている手当の金額を確認し、赴任先の住居費と光熱費の合計からその金額を引くことです。残った差額が、家計が実際に負担している増加分です。手当が実費に届いていれば袋は小さくて済み、届いていなければその差額が毎月の負担になります。この差額を把握していない家庭は、なぜ貯金が減っているのかを説明できなくなります。

帰省の回数を先に決める

帰省の交通費は、この家計でいちばん変動が大きい費目です。しかも「今月は帰れそうだ」と後から決めるため、予算に載りません。対処は単純で、月に何回帰るかを先に決めることです。月二回なら、往復の運賃×2が毎月の金額になります。年末年始やお盆に帰る場合は、繁忙期で運賃が上がることが多いので、その上乗せ分は特別費の積立から出します。この分け方をすると、通常月の帰省費が安定し、繁忙期の高い月に生活費を圧迫しません。

赴任先の食費が膨らむ理由

単身赴任の家計で最初に膨らむのは、ほぼ必ず赴任先の食費です。理由は生活の質ではなく構造で、一人分の自炊は材料が余りやすく、仕事帰りに調理する動機が弱く、しかも周囲に外食の選択肢が揃っているからです。効くのは意志ではなく区切りです。赴任先の食費だけを週単位に割り、その週の残高を見る形にする。月単位だと、前半で使いすぎても月末まで気づけません。週で区切ると修正の機会が月に四回になり、外食の回数が自然に調整されます。

赴任が終わる日に向けて

単身赴任は、始まりも終わりも自分では決められません。だからこそ、終わったときのための袋を最初から作っておいてください。引っ越しの費用、赴任先の解約に伴う費用、本宅に戻ってからの生活の立て直し。これらは終わりが決まった瞬間に発生し、そのときに現金がないと借入になります。貯金の袋の一部を「赴任終了時の費用」として名前をつけておくのが実務的です。Envelope Budgetは貯金目標として名前と金額を持てるので、目的のはっきりした袋は途中で崩されにくくなります。

よくある質問

赴任先と本宅の家計は分けるべきですか、まとめるべきですか。

記録は分けて、管理は一つにしてください。袋は二か所分に分けますが、家計全体としては一つの手取りから配分します。分けると把握しやすく、まとめると全体の判断ができます。逆に、口座を完全に分けて互いに見えない状態にすると、どちらかで使いすぎていても分からなくなります。

会社の手当はいくらもらえますか。

勤務先ごとに違うので、ここでは示せません。給与明細と社内規程で確認してください。家計の側でやるべきなのは、手当の金額と、赴任先で実際に発生している住居費・光熱費の合計を並べて、差額を出すことです。その差額が家計の実質的な負担で、袋の金額はそこから決まります。

帰省の費用が毎月ばらつきます。

回数を先に決めて、通常月の金額を固定してください。年末年始やお盆のように運賃が上がる時期の上乗せ分は、通常の帰省の袋ではなく特別費の積立から出します。この二段構えにすると、通常月の家計が安定し、繁忙期にだけ大きな支出が出ても他の袋を圧迫しません。

貯金は減っても仕方がないですか。

二重生活である以上、以前と同じ額を貯めるのは難しいことが多いです。ただしゼロにはしないでください。赴任が終わるときに必ず費用が発生します。金額を下げてでも、赴任終了時の費用という名前の袋を維持しておくと、終わりが決まったときに借入をせずに済みます。

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