二人でお金を管理するとき、どの道具が要るか
Envelope Budget は、ひとつの家計を2台の端末でリアルタイムに共有しません。二人とも自分の端末から同じ家計に記録したいなら、共有を前提に作られた道具を選んでください。うちが合うのは、記録する人が一人に決まっていて、月に一度日を決めて一緒に見直す家です。ただしその前に決めるべきことがあります。日本の共働きでは、そもそも何かをひとつにまとめているのか、財布は別のままなのか。そこが決まらないうちは、どのアプリを選んでも同じ場所で止まります。
先に制約を書きます
うちのアプリは、家計をあなたの端末の中に持ちます。二人が二台から編集するリアルタイム共有はなく、相手が開けるウェブの画面もありません。これは伏せている開発予定ではなく、本当の制約です。二人ともお金を使い、二人ともその場で記録したい家では、これだけで対象外になります。その場合は共有を前提に作られた道具を選ぶべきで、このページの残りを読む必要はありません。片方がもう片方のレシートを書き写す前提の仕組みは、1か月ももちません。以下は、どの形にどの種類の道具が合うか、という話だけをします。
日本の共働きでよくある四つの形
まず自分たちがどれかを決めてください。ひとつ、財布別。それぞれの口座はそれぞれのもので、共通の口座に決まった額を出し合って家賃と光熱費だけを払う形。ふたつ、完全折半。生活にかかったものを半分ずつにする形。みっつ、費目別分担。片方が家賃、もう片方が食費と光熱費、というように費目ごとに担当を決める形。よっつ、一括管理。全部をひとつにまとめ、それぞれがおこづかいを持つ形です。英語圏の解説はたいてい「まとめてある」ことを前提に、割合の話から始まります。ここでの先の問いは、そもそも何かをまとめているのかどうかです。
形ごとに、必要な道具が違う
財布別は、共通の部分だけが家計です。共通口座の入出金に対して袋を作れば足りて、個人の支出は最初から視界に入れません。片方が管理役になれるので、一台の手入力アプリで回ります。完全折半は、あとから割り勘の精算をする作業が中心になります。これは家計管理というより清算なので、割り勘の道具のほうが向いています。費目別分担は、担当ごとに別々の家計が二つある状態です。それぞれが自分の担当費目の袋を持てば動きますが、家全体の合計は誰も見ていません。一括管理は、記録役が一人に決まるので、一台の手入力アプリといちばん相性がいい形です。
うちが合うのは、記録役が一人の家
すでにどちらかが支払いをまとめてやっているなら、袋を導入しても役割分担はほとんど変わりません。その人が手取りを袋に割り当てて、使ったら記録します。もう一人が参加するのは見直しの場です。ここを会話ではなく手続きにしてください。日を決めて一緒にアプリを開き、空で終わった袋と、一度も触らなかった袋を見て、その場で来月の金額を変える。それだけです。見直しの間に共有したいときは共有カードを送れますし、表よりも書面で見たいなら Excel と PDF の書き出しがあります。これは Plus の機能です。この形が成立する条件はひとつだけで、記録を続けるのが一人で済むことです。
ケンカが減るのは、機能ではなく構造
三つの構造が、どんな機能一覧よりも効きます。ひとつ、二人に同額のおこづかいの袋があり、その中の使い道は説明も承認も要らないこと。お金のもめごとの多くは総額の話ではなく、コーヒー一杯の理由を聞かれることについての話だからです。ふたつ、共通の袋が二人に見えていること。使いすぎが、責めではなく画面上の事実になります。みっつ、腹が立ったときではなく、決めた日に見直すこと。道具はこの三つを支えることも、邪魔することもできます。うちは一つめと三つめは素直に支えます。二つめは、同じ画面を一緒に見ているときだけです。冒頭に書いた制約が、そのままここに出ます。
今週やること:誰が何を記録するか、書き出す
道具を選ぶ前にやってください。それぞれがどの支払いを記録する担当なのか、紙に書き出します。曖昧なものを具体的に書くのがこつです。いつも片方が行くスーパー、ガソリン、片方のアカウントで届くネット注文、共通口座からの引き落とし。手入力が家庭で失敗する原因は、たいてい怠慢ではありません。相手がやってくれたと本気で思っていることです。書き出した中に、担当が決まらない行が一つでも残るなら、そこが来月に崩れる場所で、共有前提の道具を選ぶべき合図でもあります。全部が一人に寄せられるなら、一台の袋分けでもちます。
よくある質問
二人が別々の端末で、同じ家計を使えますか。
それぞれが自分の家計を持つことはできますが、二つの端末の間で同じ家計を共有する仕組みはありません。サインインして有効にできるバックアップは、自分のデータを復元するためのもので、相手が編集するためのものではありません。実際にうちを使っている二人暮らしは、家計を一台で回して、一緒に見直しています。その形が自分たちには危ういと感じるなら、たぶん危ういです。共有前提の道具を選んでください。
財布は別のまま、共通の生活費だけ管理したいのですが。
できますし、いちばん相性のいい形のひとつです。決め手は、共通の生活費に専用の口座があるかどうかです。あるなら、その口座を家計とみなして袋を作り、個人の支出は最初から対象外にします。無くて、あとから互いに精算しているなら、それは家計管理ではなく清算です。割り勘の道具のほうが早い。袋は、あらかじめ上限を決めるためのもので、誰が誰にいくら払うかを整理するためのものではありません。
一括管理でおこづかい制です。何に気をつければいいですか。
管理していない側の袋を、他の費目と同じ扱いにしないことです。おこづかいの袋は、中身の使い道について説明も承認も要らない、と先に決めてください。ここが曖昧なままだと、金額の大小に関係なくもめます。金額そのものは、平均で決めずに二人で書いて決めます。世の中の平均額は、家族構成も通勤も飲み会の頻度も違う人たちを一つにならしたものです。決めた額と、見直す日をメモに残しておいてください。
相手が Android です。どうすればいいですか。
うちではありません。Envelope Budget は iPhone のみで、Android 版もウェブ版もないので、端末の違う家庭では何ひとつ共有できません。これは不便ではなく、はっきりした対象外です。選ぶときは、機能より先に端末で絞ってください。二人で使うなら、端末をまたげる共有前提の道具が正しい種類です。入れてから気づいて低い評価をつけられるより、ここで書いておくほうがいい。
この家計をスマホで回す
Envelope Budget は、この袋をそのままポケットに入れます。すべての金額を割り当て、使ったその場で記録して、実際にいくら残っているかを見ます。
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