1か月をまるごと止めるのではなく、ノーマネーデーを数える
1か月を丸ごと禁止にする代わりに、変動費の支出が0円だった日、つまりノーマネーデーを数えます。数える方式が優れているのは、1日崩れても記録がゼロに戻らないからです。始める前に、何を0にすれば1日と数えるのかを一文で決めます。目標は連続日数ではなく月の合計日数にして、効果は日数ではなく変動費の合計で測ります。まとめ買いに支出が移っただけということが起こるからです。
月を止めるのではなく、日を数える
1か月まるごと支出を止める形は、ルールを三種類書いてから始めることになり、途中で一度崩れると残りの3週間が無意味に感じられます。日を数える形にはその弱点がありません。9日目に2,000円使っても、その月のノーマネーデーが12日から11日に減るだけで、記録は生き続けます。禁止はスイッチで、数えるのはカウンターです。スイッチは一度切れると戻せませんが、カウンターは最後の日まで動き続けます。紙の家計簿にノーマネーデーの欄があるのは、この形が続くからで、続く形のほうが厳しい形より結果を出します。
何を0にすれば1日と数えるのか、先に一文で決める
定義を決めずに数え始めると、月の後半に自分と交渉することになります。決めるのは三点です。第一に、対象は変動費だけにするか。家賃や通信費の自動引き落とし、定期券のように、その日に自分が決めていない支払いは数えないのが素直です。第二に、カード決済をいつの日として数えるか。引き落とし日ではなく利用日で数えてください。そうしないとノーマネーデーが翌月にずれます。第三に、生活に必須の少額、たとえば毎日の飲み物をどう扱うか。どれを選んでも構いませんが、書いてから始めることが条件です。
連続日数を目標にしない
連続記録を目標にすると、10日目で崩れたときに残りの20日が捨てられます。目標は月の合計日数にしてください。今月は8日、来月は10日という数え方なら、崩れた日は単に加算されなかった日でしかありません。月8日なら年96日です。最初の月は目標を立てずに、いまの自分が何日つくれているかだけを数えるほうが正確です。その実測値に1日か2日足したものを翌月の目標にします。いきなり月15日と決めると、たいてい2週目で数えるのをやめます。
つくれる日と、つくれない日を先に見る
1か月数えると、ノーマネーデーが特定の曜日に固まっていることがわかります。多くの場合、平日はつくりやすく、週末と給料日の直後は難しい。ここから増やし方が決まります。いちばん効くのは買い物の回数を減らすことです。食料品をまとめて1回で買えば、そのあとの数日は何も買わない日になります。次に効くのは、外に出る用事のない日をつくること。そして、飲み物や昼食を持って出た日は、それだけでノーマネーデーになりやすい。増やすのは我慢ではなく、買い物の回数と外出の設計です。
効果は日数ではなく、変動費の合計で測る
ここを飛ばすと、ノーマネーデーは自己満足の指標になります。まとめ買いを増やせば日数は簡単に増えますが、それは支出が移動しただけで、減ってはいません。だから測る対象は、日数ではなく変動費の月合計です。先月の食費、外食、日用品、娯楽の合計と、今月の同じ費目の合計を比べる。日数が増えたのに合計が変わっていないなら、移動しただけです。もう一つ確認するのは、買わなかったのではなく翌月に先送りしただけの支出がないか。翌月の合計まで見て初めて、正直な数字になります。
袋の作り方
カレンダーに丸をつけるのと、変動費の袋を見るのは同じ作業です。買い物をした日は袋の残高が減り、減らなかった日がノーマネーデーだからです。だから新しい仕組みは要りません。必要なのは、その日のうちに手で記録することだけです。Envelope Budget は銀行とつながらない手入力なので、記録しなかった日と使わなかった日が区別できません。そこだけ気をつけてください。月末に、変動費の袋で余った分を目標の袋へ一度で移します。移さなければ、翌月のふつうの支出が2週間で吸収します。
よくある質問
固定費の引き落としがあった日はノーマネーデーですか。
自分の定義しだいですが、数えるほうが素直です。家賃、通信費、保険料、サブスクの更新、借入の返済は、その日に決めた支出ではなく、何か月も前に決めた支出だからです。その日の自分の判断を測るのが目的なので、判断していないものを失敗に数えると、指標が意味を失います。逆に、止めようと思えば止められるサブスクを見直したいなら、それは別の作業として、ノーマネーデーとは切り離して扱ってください。
何日を目標にすればいいですか。
最初の1か月は目標を立てないでください。数えるだけにして、いまの自分の実測値を出します。その数字に1日か2日足したものが、翌月の現実的な目標です。他人の日数は参考になりません。通勤の有無、自炊の頻度、家族の人数で、つくれる日数の上限がまったく違うからです。伸ばし方も日数ではなく手段で考えます。まとめ買いを週1回にする、昼食を持っていく日を週2日つくる。手段が決まれば日数は勝手についてきます。
カードで払った日は、いつのノーマネーデーとして数えますか。
利用日です。引き落とし日で数えると、今日の判断が来月の記録に現れることになり、どの日に何を決めたのかがわからなくなります。コード決済も同じで、チャージした日ではなく使った日で数えてください。チャージは袋から袋への移動であって支出ではありません。この一点を決めておかないと、月末に記録と現実がずれて、そこで数えるのをやめることになります。
ノーマネーデーが増えたのに、貯金が増えません。
支出が消えたのではなく、移動した可能性が高いです。ありがちなのは二つ。まとめ買いの日に合計額が膨らんでいる場合と、買わずに済ませたつもりの物を翌月に買っている場合です。確認方法は、日数ではなく変動費の月合計を先月と比べることと、翌月の合計まで見ることです。それでも合計が下がっているのに手元に残らないなら、原因は月末に余りを目標の袋へ移していないことです。移さない余りは、次の月のふつうの支出に吸収されます。
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